ごあいさつ|サステナブル理工学研究センター|東北大学多元物質科学研究所

東北大学多元物質科学研究所サステナブル理工学研究センター

ごあいさつ

  現在、日本は先進各国と共に2つの大きなエネルギー問題に直面している。一つはBRICSを中心としたエネルギー需要の急激な増大と第三世界の経済成長による資源獲得をめぐる国際競争激化からエネルギー制約が構造的に高まりつつこと。二つ目は地球温暖化による大気環境の激変から食糧生産の減少、異常気象の増大による人間の生存可能空間が著しく脅かされ、これまで持続可能性を有していた生物圏が激しいリスクにさらされていることである。
  なかでも資源小国であるわが国は経済発展の土台であるエネルギー供給に多くの不安定要素を抱えており、国家の資源エネルギーセキュリティー向上のための環境技術のイノベーションが国家的最重要課題として認識されている。特に近年は温暖化対策における国際的な枠組み、IPCCのような国際機関を通した二酸化炭素排出抑制の政治的な調整機能の設置、排出権取引など国際協力を推進する経済的仕組みの構築、環境技術開発における二国間あるいは多国間協力構築の動きなど、政治経済国際関係的な動きが加速する中で、最先端の資源・環境・エネルギー技術の研究開発が世界的な関心事となる状況に変化しており、地球のサステナビリティー構築の基盤である資源エネルギー技術のイノベーションとそれらの非効率な国家・社会への技術移転が今世紀前半の国際的な基軸概念であり、経済成長と低炭素化を両立させる有効な手段である。
  平成22年4月1日に多元物質科学研究所の改組により発足したサステナブル理工学研究センターは前身の資源変換・再生研究センターのミッションを踏まえてこのような地球持続社会構築のための資源エネルギー技術を多元的な物質科学を基に次世代に継承する基礎学理として構築する使命を共有した研究分野教員でスタートした。希少金属の有効利用や環境に優しい循環型素材製造プロセスの物理化学と太陽電池・二次電池・燃料電池などのエネルギー変換デバイスのエネルギー技術をベースにして最先端科学を構築する基礎研究を開始した。基礎科学を低炭素化社会に貢献すべく物質科学とシステム工学の融合により真に有用なエンジニアリングを目指した本格研究をセンターのミッションとしていく。

  平成22年度に発足したサステナブル理工学研究センターでは低炭素化社会構築の物質科学研究を目的として、基礎研究だけに留まらず産業界との連携研究と実用化研究、海外研究機関との人材交流や共同研究を積極的に行い、環境エネルギー材料研究に関する国内トップ機関を目指します。本研究センターへの多元物質科学研究所および東北大学内外の機関、企業ならびに関連する諸氏からのこれまでの力強いご支援に感謝致しますと共に、サステナブル理工学研究センターの研究活動に対しましても、一層の御指導、御鞭撻をお願い致します。

平成25年9月2日