art 東北大学 小濱研究室
未来科学技術共同研究センター
Kohama Laboratory, New Industry Creation Hatchery Center, Tohoku University  Japanese  /    English  

airplane地面効果とは
〜エアロトレイン〜

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 エアロトレインは翼を持ち、地面からわずかに浮上して高速走行する乗り物ですが、まず、この翼の原理から見ていきましょう。
 翼は前に進むことで、前方から風があたります。このとき図の様に翼の上面の圧力は低く、下面の圧力は高くなります。この圧力差により翼は浮く力(揚力)を生み出しています。




では、なぜ翼はこのような形をしているのでしょうか?
たとえばただの板を傾けて流れの中においても揚力は出ます。でもそのとき同時に流れと同じ方向の力(抗力)も出ます。この抗力は飛行機でいうと進むのを妨げる力となり、その分進む力が必要となる力です。翼は、この抗力を小さくするためにこのような流線型をしています。



浮く力、揚力と進むのを妨げる力、抗力の比は揚抗比と言われ、揚力をいかに効率よく出せるかのパラメータとなります。
つまり、この揚抗比の大きな翼を使えば同じ重さの飛行機を浮かせるのに小さなエンジンパワーでよいことになります。



さて、エアロトレインのように翼が地面の近くにあった場合はどうなるでしょうか。
地面があると翼の下面では流れが集められ地面がないときに比べ圧力が高くなります。そのため地面がないときと比べて大きな揚力を得ることができます。さらに翼の端の悪影響を少なくし抗力が減ることもわかっています。このため、地面近くに翼があると翼の揚抗比は大きくなり効率が上がります。この現象を地面効果と呼びます。



エアロトレインは、このような地面効果を積極的に利用し、3方が固体壁面に囲まれた凹型のガイドウェイ内を高速浮上走行する新交通システムです。地面効果など空気を味方につけ徹底的に効率を良くすることで風力発電や太陽光発電などで得た自然エネルギーのみで走行することが可能なシステムです。


なおこの完成予想図は都丸裕司氏がデザインしたものです


地面効果の利用

地面効果は古くから知られており、第二時世界大戦当時、航空母艦に飛行機が着陸する際に揚力が増え、飛行機が浮いてしまい着陸しにくくなることがわかっていました。昔はこのように地面効果はやっかい者でした。しかしエアロトレインはこの地面効果を積極的に利用し効率を良くしています。地面効果を利用した乗り物の開発はかなり以前から行われていましたが、走行するのに平滑な場所が必要ということもあり、水面を地面効果で浮上走行する水面効果艇がメインでした。上の写真は旧ソビエトで開発されていた軍用水面効果艇で西側諸国ではカスピ海の怪物と呼ばれていました。速度500km/h、重量が500トンを超える巨大な地面効果滑空艇です。下の写真は旧西ドイツで開発された民需用のものでヨルクタイプと呼ばれています。約30cmの高さを時速150km前後で浮上走行します。わが国でも似たような水面効果艇を川崎重工や三菱重工が開発した経緯があります。
また我々の身近なところでは、ハードディスクの磁気ヘッドもこの地面効果を利用しディスク表面からわずかに浮いて動作しています。




地面効果は地面に近づけば近づくほど増加しますが、どの程度地面効果を利用しているかを示したのが左の図です。水面効果艇は波の影響がありそれほど飛行高度を低くとることができません。エアロトレインでは固体壁面上を浮上走行するので飛行高度を低くとることができ、水面効果艇より地面効果を有効に使うことができます。もっとも効率的に利用しているのがハードディスクの磁気ヘッドといえます。




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1.概 要 , 2.地面効果の利用 , 3.環境親和性 , 4.他の乗り物との比較 , 5.研究経過1 , 6.最新研究経過と展望